OVER ENDING【Re:bit】 第1話 偽りの始まり

イラスト作者様
リンクイラストは岩葉さんに描いていただきました! Checkゲスト/メンバー絵師イラスト紹介
4コマ漫画
約週7でやってます◆illusted by usoco◆

俺はエンディングの先が描かれていないゲームは好きじゃない。

子供のころからゲームが好きだった。特別うまいわけじゃなかったけども物心ついてからは家に帰ればすぐにゲーム機の電源を入れるのが日課。
FPS、アドベンチャー、アクション、RPG、シミュレーション。これと言ってジャンルに拘りがある訳じゃない。ストーリー性のあるゲームは何でもプレイした。
でもどんなゲームにも終わり<エンディング>がある。ハッピーエンドにしろバッドエンドにしろエンディングが終われば世界を救ったヒーローも、救い出したヒロインも誰もいないんだ。次のゲームの内容は決まってNEWGAME。
その先の世界は語られない。

それが――いつもどこかたまらなく切なかった。

◆◆

【while(OverEnding){. . . // Zer0】

教室の一番後列、窓際に位置する席。俗にいうボッチ席に座り、黄昏る少年。机上に出されるも開かれていないテキストとノートには『1-1 はざま 名由なゆ』と書いてある。
ハザマナユ。俺の名前だ。ちなみに1-1というのは数式ではなく学年を表している。
俺は学生ってやつだ。もっと詳しく言うならば≪リマイナー候補生≫だ。

つってもリマイナーってなんだよってなるよな?初めて俺が聞いた時もそうだった。
簡潔に説明するなら、30年前に突如として発生したコンピュータウイルス ≪V-data≫とソレの副産物として現実世界に誕生した化物≪フォルト≫に対抗する兵隊の育成を目的とした特別専門学校だ。
そのウイルスを消去するのがリマイナーってこと。

俺の通うこの学校≪政府軍立VR技師育成高等専門学校≫通称≪技育専≫はゲーミングスクールに分類される。
学科も、現実世界でフォルトと対峙する戦闘員を目指す≪Advanced Suit HeroASHコース≫とデータ世界でウィルスやバグと戦うエキスパートを目指す≪Remainerリマイナーコース≫の二つに大きく分かれている。

でも俺は将来、そのどちらにもなるつもりはない……というよりも将来の目的なんて想像もつかない。
この学校を選んだ理由は学科の内容じゃない。選んだ理由は至ってシンプル――奨学金制度推薦入学制度学力
勉強が苦手でゲームで遊ぶ事以外に取り柄が無かった無能には入学条件が緩いこの軍立学校以外の選択肢が無かったんだ……。
軍立の育成学校ということもあり学力よりも<特異技術才能>に重みを置いている技育専は下手な私立校よりも入学がたやすく、さらに運のいいことに今年は≪Remainerリマイナーコース≫の受験生が少なかったようで驚くほど条件が緩かったんだ。
ちなみに≪ASHコース≫は逆に人気が高いらしく推薦入学はオリンピック選手になるよりも審査が厳しかった……らしい。いや、噂で聞いただけだけど。

入学してすぐの頃は『とりあえずゲームしてるだけで卒業⁈ マジヌルゲーじゃん!』……と油断していた。というよりも、この学校の本質を見抜けていなかったんだ。

ゲーミングスクールならではの授業の大半を占める専門科目……将来役に立たなそうなくせして凶悪な退屈性を持つ座学。そう、普通の授業が存在していた。
ここ技育専のリマイナーコースでは一般科目の成績は自体は不問だが、特異技術と分類される『リマイン技術』と『情報処理』が必須でありソレらの向上が義務付けられている――つまりはゲームの為に勉強しろってことだ。

……そして今まさにその≪座学≫の授業中だ。

ちんぷんかんぷんな公式を説明する教師の声とノートをとる筆記用具の音だけが存在する静寂な空間。
私語厳禁というルールが存在しており誰一人として無駄話をせず、真面目に授業を受けるこの退屈な時間。駄目と言われると無性にしたくなる<会話(おしゃべり)>の衝動には抗えない。抗いたくもない。

そんな『ルール』に従いつつも会話をする方法はいくつか存在する。その中でも一番メジャーな方法、たぶん誰しも一回は実行して、後に説教を受けたであろう<禁断の不正>――『電子通信メール』。

その口を使わない会話を可能にするのがこの<携帯端末不正ツール>だ。

上着のポケットからそっと携帯端末を取り出して教師に見つからないように机の陰に隠して待機画面を表示させる。
このどうということなく見える一連の動作にも入念な計画といくつもの下準備が必要とされるんだ。

まずは作戦の第一段階として授業が始まる前に教卓からの死角を下調べしておくこと。言うなれば逃げ道の確保と安全地帯の確認ってところだな。この時に周りの生徒、特に真面目な委員長タイプの生徒に不審がられないようにさりげなく偵察するのが大事。
そして次の段階は携帯端末の装備ヵ所の変更だ。尻のポケットや鞄の中に携帯端末を入れたままだとその時点でこの計画は破綻する。携帯端末は教師が黒板に向いた一瞬で取り出せるように上着の胸ポケットなどに入れておくことだ。
最後に一番大切な準備――絶対に『無音設定サイレントモード』にしておくこと。もちろん、『バイブレーション機能』もオフ! なぜなら授業中の教室というのは普段聞こえないレベルの音、シャーペンの芯が折れる音さえも響き渡るからだ。バイブ機能も駄目なのには意味がる『音はOK』そんな油断をしていると、着信時の条件反射を敏感に察知する特殊訓練を受けた教師の目に止まってしまうからだ。奴らを欺くのは不可能に近い。<管理者ゲームマスター>の固有スキルは超強力ってわけだ。
さて、ざっと説明したがこれらの注意点をしっかりと押さえておけば大概バレる事無く携帯端末を使用できると思う。

携帯端末に六ケタのパスワードを入力してロックを解除。「新着メール三件」と通知ポップアップが表示されるが、件名から察するにオンラインゲームのメルマガだろう。

ゲームのアカウントを取得すると定期的に送られてくるようになるこういったメルマガは嫌いではない、実際にイベントやアップデート内容の通知は大いに役立つことがあるしワクワクするしな。……だが、人によっては精神的ダメージを受ける時もあるってのを少しは考えてほしいものだ。
なんでかって? 今だって俺の新着メールは全てメルマガな訳だ。なんか友達いない奴みたいで嫌じゃん?
俺にだってちゃんと友達はいるぞッ。……まあ数人だけど。

通知ポップアップを閉じて新規メール作成を選択して送信先を選ぶ。数少ない連絡先の中から授業中でも相手してくれるような心が優しく不正に付き合ってくれる相手。かなり選択肢が限られてくる。

相手の置かれている状況が分からない為、他のクラスの友達というのはリスクが大きすぎるしな。小テストの最中に下らないトラッシュトークにつき合わせる訳にもいかない。ここは自分のクラス内にしよう。
というか別のクラスに友達そんなにいないし。

進学校張りに意識高い系の生徒が多いこの学校で、俺みたく授業に集中していない奴なんてそうそういない。
そう思っている? いるんだなこれが。都合よく暇そうな相手が。いやまあ暇というか、眠そうにしてる奴が目の前に。

さて、なんてメール送るか。『今日の弁当なに?』とか? うん! 違うだろ。それじゃ俺が食い意地張ってるデブキャラだ。
えーと『昨日の夕飯なに?』とか? え? なにこれ? デブの呪い? いくら午前最後の授業で腹が減って来てるからってもう少しましな内容があるだろ……んー。
こういう意味もない暇つぶしで行うメールは本文に困る。例えるならそう『テレビを点けてみるも見たい番組も面白い番組もなかった』時のような。この『どうしよう感』って呼び名あるんだろうか。どうでもいいか。メールメール……。

そうだ閃いた! こんな時は相手にネタを提供させるんだ。強いるのではなく、さり気無く主導権を握り相手の会話を誘導する。

――『眠そうだけども昨日何かあった?』

ふはは! これだッ!
携帯端末に緻密に計算された文章を打ち込み眠そうな<アイツ>にメールを送信……完了っと。

ヴヴヴーンと携帯端末が振動する音が鳴り、続いて女子の声が教室中に響き渡った。

「「ッッな、――のぅわッ! ねえぇてませぇんっ!」」

まぁびっくりするよな。つーか寝てませんって……噛んでるし、聞いてないし、言えてないし。
笑いをこらえるよりもツッコミを堪える方が至極大変。言っておくが俺は悪くない。ああ、俺は断じて悪くない。むしろオフにしてなかったお前が悪いんだ……いや、なんかホントにごめん。

呆れる教師にペコペコと頭を下げると、涎を拭きながら恥ずかしそうに耳まで赤くする女子。

この被害者改め、居眠り女子は『めぐり 結名ゆな』だ。
ユナは小学校からの友達、いわば『幼馴染みたいなもの』で、小学一年生ぐらいの時に学校の帰り道の公園に独りでいる彼女を見かけて声をかけたのが出会い。当時俺も友達が少なく寂しい思いをしていて、加えて俺は両親とはうまくいってないことあって何となく彼女の孤独感をくみ取ったんだろう。
ちなみに当時も何も今だって友達少ないだろって意見は受け付けない。絶対にだ。
ともあれ、それがきっかけでユナと友達になった。
偶然とも言えるきっかけで知り合った訳だけども、『ナユ』『ユナ』と似ている名前や家に帰っても両親が居ない等共通点が多かったんだ。
彼女の両親はフォルトの引き起こした災害で他界してしまい、知り合いの家に引き取られて暮らしていたらしいが小学生が対応できる変化では無かったのだろう。俺と遊ぶようになるまでは自分の殻にこもりがちで一人でいることが多かったそうだ。
それからは毎日のように二人で遊んだ。外で遊ぶこともあったが俺の両親は共働きで帰りが遅かったからほとんど毎日俺の家に集まり買い与えられたゲーム機で暗くなるまでずっと二人で夢の世界を冒険した。

そんなゲーム浸りの三年間はあっという間に過ぎ進学の次期になったある日、ユナが引っ越すことになり別々の学校に進学してからはユナとは暫く疎遠になった時期がある。『幼馴染みたいなもの』というのはそーいうことだ。

中学校で一人になった俺は部活にも入らず毎日ゲームの事ばかり考えゲームに生きた、そのおかげで見事成績は最低。
ある出来事から≪ASH≫に憧れて筋トレを始めるも三日坊主でニューゲーム。
受験シーズンになって初めて自分がオワコンと言われる存在だと自覚した……。
そんな中学時代の出来事で唯一胸を張れることと言えばユナを助けたことぐらいかと思う。

中学三年の夏休みだったか連休だったかに繁華街に遊びに行った時に『イジメ』を目撃した。イジメ自体は珍しくもなかったし、関わりたくはなかった。嫌な話ではあるけどもそれが現実だ。触らぬ神に祟りなし、自身がクズだと理解しても見て観ぬふりをしようと俺はその場を去ろうとした。でも名前を呼ばれた気がして振り返ると目が合ったんだ。

『……ナユ?』

小さく震えるような声で呟くように彼女は俺の名前を呼んでいた。薄灰色のミディアムに伸びた髪、水色の目、足を止め彼女の顔をハッキリと確認するとそれは『幼馴染みたいなもの』の彼女だった。なぜ? 何で? どうして? 色んなことが頭をよぎった。彼女の不安と恐怖に怯える目を見つめていると、いてもたってもいられなくなって俺は助けに入った。
今思えば考えなしに複数相手に飛びかかった貧弱モノはどうかしてたとしか思えないが、しかしまあ『男』としては正しい判断だったのではないだろうか。少しは今まで見過ごしたイジメの罪滅ぼしはできたかもしれないしな。

ちなみに今までの人生でこういうシュチエーションはゲームでしか経験した事が無い自分がかっこよく助けられるはずもなく醜態を晒す事となったのは言うまでもない。助けたというよりも彼女の代わりに痛い目に合っただけだった。ダッサい事この上ないよな。
でもそれでよかった。唯一の友達を守る為なら、手段なんて選ばない。たとえ単に身代わりになるだけだってそれは彼女を救うことになったのだから。後悔はしていない。あの時何もしなかったら、殴られた時の痛みよりもっとつらい痛み想いに苦しんだはずだから。

その日を境にユナとの交流が再開した。離れていた三年間を埋めるために沢山話をした。ほとんどがゲームとアニメの話だったけど、まあ俺にとってはひさしぶりの幸せだったわけ。この三年間そういった話が出来る相手はいなかったからさ。

繁華街で、ユナは一目で俺に気づいたと言っていたが、俺の方はずいぶんと雰囲気の変わったユナに最初気づくことが出来なかった。それを伝えると、きっと拗ねるだろうからユナには内緒にしているけど。
ちなみに雰囲気が変わったというのは良い方向へという意味でだ。身長も伸びてたし随分と大人っぽくというか、そうだなあ……四文字に集約するならば『超可愛く』なっていた。かな。

ともあれ、二人で同じ学校に進学しようと決めてこの技育専≪リマイナー学科≫に入学した。彼女は「私、特に行きたいところないし」と言っていたが嘘だろうな。勉強もできるしもっと上の進学校を狙えたんだろうけども、俺に合わせてこの学校に進学させてしまったことに申し訳ない気持ちが多少はあったけど、正直な気持ちはまた二人で一緒に居られると思い高校生活が楽しみで仕方がなかった。

入学してからは四六時中ゲームとアニメの話題で盛り上がった。次に遊ぶゲームを選ぶにあたり、ユナにどんなジャンルのゲームが好きかって聞くと決まって「わたしは、みんなで遊べるゲームなら何でも好きだよっ! ……とっ、友達は少ないけどさ……」と返してくる。俺は『特にこだわりもなく、強いて言うならストーリー性があるゲーム』が好き、だから結局はジャンルを絞らずビジュアルや感覚で選んだり期待作を片っ端から遊ぶ流れになるけどもユナは謎解き要素や隠し要素がある『やり込みゲー』をプレイしてる時が一番楽しそうにしている気がする。

そんな全く授業と関係ない昔の事を思い返しているといつの間にか予鈴が鳴っていて退屈な一日の前半戦が終了する。

「はい。それではクラス委員、号令して下さい」

クラス委員の掛け声に合わせルーチンワークとして頭を下げると正式に授業は終わり昼休みになった。
そうして今日も机の上に出すだけ出して最後まで使わなかったノートとテキストを鞄に戻し、意味もなく携帯端末で現在時刻を確認する。

昼は決まって食堂に行くのが日課と化しているんだが、ここの食堂はテーブルが広くて昼食目的以外で使う生徒が多いから早めに行っていい席をキープしたい。
とはいえ遅れたところでテーブルの数はかなり多いし、席順というかそれぞれのマイテーブルもほぼ決まっている訳だけどもさ……。

鞄を手に席を立つとユナは板書しているのか、目に見える程の『今わたしは集中してます』オーラを放出しながらまだ席に座っているのに気付いた。
こういうのを見ると邪魔したくなるのがヒトの性というものである。
最近のアクションゲームには背面攻撃というシステムが存在することが多い。忍者のように背後から忍び寄り一撃必中の必殺技の類だ。伝説の傭兵並みのスニーキングテクニックをみせてやるぜッ。

ポケットから手を出し彼女の死角に回り込み、完璧な位置取りとタイミングからの『背後からの一撃バックスタブ』を発動させる。そして放たれた手が板書に集中している彼女の肩にヒットする瞬間――ユナの頭が持ち上りこちらに振り向く。

「――な・に・っ?」

殺意じみたものが込められた冷たい一言に背筋が凍ってしまった。
背中に目がついているのかと恐ろしくなるぜ……女の第六感ってのはチートなんじゃないか。と思う時がある。今まさに。

「あ、あー! ち、ちょっと探し物を……どーこだっけなー! はは……、なんて……。」

そっと構えた手をポケットに戻し誤魔化すようにぼやきつつ無意識に頭に浮かんだ『あのゲーム』のゲームオーバー演出を思い出した。
終わったはずの授業が再現されたかのような緊張感と静寂。本当に退屈だ……何もやる事がない。
こういうやる事も無しに待っている時間というのはものすごく長く感じるのは俺だけだろうか?

「……。ユナさんまだすか?」
「あと少しかなー。退屈? ごめんねもう少し……」

ああ。退屈だ! 暇過ぎて死んでしまう程になッ、だから退屈しのぎにこういうのはどうだろうか。

「……なぜ、廻結名は授業中にいつもいつも、アホみたいに眠くなるのか? それを今ここで徹底討論しその原因と改善策を……イダぁッ!」

暇を持て余すばかりバカな事を言ったら制裁をされてしまった……。

「結構いい話題だと思ったんだけどな? もし居眠り癖を改善させる方法が判明すれば今後きっと役に立つだろうし、それに――」

「「ホント何いってんだかーっ! アホじゃないから!」」

「え?そっち?」

ええー、そっちなの? 『アホ』の部分に怒ってたの? 普通違うだろうッそこじゃない!うるさいとかそういうところで怒るんじゃないのか!?
この娘やっぱ少しアホなの?ズレてるの?

「んっ? 何が?」
「……あ、いや何でもない」

最後の一行を書き写した彼女はノートを閉じると立ち上がり大きく体を反らして伸びをする。

「もーちょいぃいいいぃ……よっしっ! おわりぃっ! ふあぁ……腕が疲れたよ」

ヘソ見えるぞヘソ。

「お待たせナユっ! ありがとね、待ってくれて……って目見開いて、……どうしたの?」

ヘソチラの次には両手を後ろに組み、少し前のめりになって上目使いで顔を近づけてくる。
この娘はこれを天然でやってるから怖い。
頭はいいが、たびたびどこか抜けていて油断も隙もあったものじゃない。前に一度学校帰りにCD屋に行ったんだが、目を離した隙になんか他校の生徒に絡まれてたし。ほっときゃいいのに、反応するからな。
世の女性は変な奴に絡まれたら即座に無視か、防犯グッズでご挨拶、もしくは我が国の国家権力を召喚しなさい。特に国家権力召喚したら、作戦は『ガンガンいこうぜ』でいい。
だが、俺みたいなひ弱なモブキャラと一緒の場合は必ず仲良く『逃げる』を選択してくれ。作戦は『いのちだいじに』で頼む。間違っても『バッチリがんばれ』とかダメだから。いやマジで。

不思議そうに覗き込むユナの目を見つめているとポケットの中で手が少し汗ばみ心臓が鼓動を早める、今にもくっつきそうになる顔を背けて照れくさそうに返事する。

「へぃえ? べ、別に……食堂、先行くぞ」

なんかどもったし。恥ずかしい。なに? 俺は死にたいの? 死ぬの? 茶化されるともっと恥ずかしい思いをするからそそくさと立ち上がり教室を出た。待っていたにもかかわらず置いていくとは本末転倒というもので我ながら呆れるが、これが俺の精一杯の照れ隠しなんだ分かってくれ。

「わーっ! ちょッ、待ってよ! せっかく待ってくれてたのにっ、ここで置いてかないでよー!」

鞄に荷物を押し込みユナが小走りで俺の後についてくる。
俺たちが廊下に出ると教室の照明は自動で消え、ユナがさっきまで必死に写していた黒板の文字が綺麗に消えていく。俺たちが使っていた机と椅子も床に収納され教室は広々とした空間になった。

そうそう言い忘れたが――今は2050年だ。ちなみにまだ車は空を飛んでいない。

◇第1話

各話サブタイトル作者
登場人物紹介こちらNORA×絵師様
プロローグ/第0話主人公補正KAITO×NORA
第1話偽りの始まりKAITO×NORA
第2話A.シャンプーKAITO×NORA
第3話ミス・パーフェクトKAITO×NORA
第4話馬と鹿KAITO×NORA
第5話忍者だってッKAITO×NORA
第6話トレードオフKAITO×NORA
第7話正義と欠陥KAITO×NORA
第8話死に急ぐ者KAITO×NORA
第9話友の追悼KAITO×NORA
第10話四番モニターKAITO×NORA
第11話ボーナススコアKAITO×NORA
第12話試験範囲KAITO×NORA
第13話アルファリーダーKAITO×NORA
第14話トレジャーハントKAITO×NORA
第15話チェックシートKAITO×NORA
第16話レバガチャKAITO×NORA
第17話記念写真KAITO×NORA
第18話手応えKAITO×NORA
第19話仲裁KAITO×NORA
第20話気遣いKAITO×NORA
第21話不貞寝KAITO×NORA
第22話ナカヨシKAITO×NORA
第23話ハーフタイムKAITO×NORA
第24話ルート分岐KAITO×NORA
第25話リアシートKAITO×NORA
第26話レストランKAITO×NORA
第27話夜の景色KAITO×NORA
第28話アクビKAITO×NORA
第29話ネクタイKAITO×NORA
第30話ドラゴンブレスKAITO×NORA
第31話尻尾KAITO×NORA
第32話反省会KAITO×NORA
第33話ノーデリカシーKAITO×NORA
第34話待ち時間KAITO×NORA
第35話キョウイKAITO×NORA
第36話リプレイデータKAITO×NORA
第37話初見明人KAITO×NORA
第38話ラクガキKAITO×NORA
第39話模範解答KAITO×NORA
第40話レシピKAITO×NORA
第41話実技本戦KAITO×NORA
第42話ファーストブラッドKAITO×NORA
第43話絶望と記憶KAITO×NORA
第44話試験開始KAITO×NORA
第45話醍醐味KAITO×NORA
第46話作戦開始KAITO×NORA
第47話必殺の一撃KAITO×NORA
第48話全力の結果KAITO×NORA
第49話ルールの思惑KAITO×NORA
第50話閉会式KAITO×NORA
第51話/第一部完結優勝チームKAITO×NORA

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